ゆで卵を食べると中性脂肪が上がるというのはウソ、ホント!?
中性脂肪が多いかたは、コレステロールの含有量の多い、ゆで卵は食べない方が良いという説がありますよね。でも、1日の内の1食をゆで卵に置き換えたり、運動前や間食にゆで卵を食べる、ゆで卵ダイエットなんてものも存在します。
卵は身近な食材だからこそ、どちらが正しいのか気になりますよね。ゆで卵は中性脂肪を増やすのでしょうか、減らすものなのでしょうか。
食品のコレステロールと中性脂肪はイコールではない
卵は確かにコレステロールの多く含まれた食材です。ですが、中性脂肪を増やすのはコレステロールではありません。中性脂肪は消費されなかった余分なエネルギーですので、警戒すべきはコレステロールではなく糖質や脂質なのです。
Mサイズのゆで卵1個あたりのコレステロール値は約230mg、カロリーは80kcal程度です。脂質は5.5g、糖質は0.17gですので、ゆで卵を食べたからと言って、中性脂肪が増えるというものでもありません。
もちろん1日に5〜6個、マヨネーズなどをたっぷりと使っているようでは、カロリーオーバーから中性脂肪も増えてしまいますけど。以前はコレステロール=悪と思われていたものですが、近年では総コレステロール値よりも、善玉と悪玉の比率の方が重要だとされています。
ゆで卵には善玉コレステロールを増やす働きもあるので、数値が気になるからと言って、卵を絶対食べないと避ける必要はないようです。
ゆで卵は中性脂肪を減らす食材なのか?
卵には人が食品から補う必要のある、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。アミノ酸には代謝を高めてエネルギー消費量を増やし、中性脂肪の蓄積を防ぐ作用もありますので、適量を摂取する分には、中性脂肪を減らす効果があります。
卵の摂取量は、活動量の多いかたで1日3個まで、一般的なかたでは1日1〜2個あたりが適量となります。ただし、卵は調味料や加工食品、お菓子類にも多く使われる材料です。卵を食べている意識が無くても、意外と口にしているものですので、食べ過ぎには注意しましょう。
身近な食材で健康維持に役立つ卵ですが、アミノ酸は熱によりタンパク質へ変質してしまいますので、中性脂肪の低減目的で食べるのであれば、固ゆでではなく、半熟卵での摂取が効果的です。
ゆで卵ダイエットの基本は固ゆでだけど
代謝を高めて消費カロリーが上がるのは、生や半熟状態のものですが、固ゆでだと駄目だという訳ではありません。ゆで卵ダイエットの基本は固ゆで卵です。固ゆですることで腹持ちがよくなりますし、ゆで卵を消化するのに消費されるカロリーが高まるのです。
そうは言っても、消化に使われるカロリーの量の違いは微々たるものです。代謝を高めるアミノ酸を優先するか、噛みごたえや腹持ちを優先するかは好みの問題です。
卵には中性脂肪を減らす効果のある、オメガ3が含まれています。オメガ3は高温で加熱すると変質してしまうものですので、加熱する際には低温で調理するようにしましょう。
コレステロール含有量の多いゆで卵は、中性脂肪を増やすというのは迷信です。むしろ卵には中性脂肪を減らす作用があるくらいですから、週の内の1日だけでも良いので、肉料理を卵に置き換えてみるのもいいかもしれません。